臨床開発モニター転職事情

臨床開発モニターとは

医薬品の開発段階において、医薬品の材料となりうる候補物質を発見し、スクリーニングする創薬研究、マウス、ラットなど動物による安全性・有効性の試験を前臨床(非臨床)研究といいます。創薬研究、前臨床研究を経て、ヒトによる、安全性・医薬品としての効果を評価します。これを臨床試験(治験)といい、臨床開発モニター(臨床開発モニター)とは、この段階で活躍する職業です。

≪臨床開発モニターの具体的業務内容≫
  • プロトコール作成
  • 治験実施施設の選定・契約
  • 治験審査委員会との折衝・調整
  • 治験責任医師とのコミュニケーション
  • 新GCPに基づいた治験実施の監視
  • SOPに従った業務遂行の確認 治験薬のチェック
  • 症例報告書(CRF)の回収・チェック
  • 有害事象、重篤な有害事象の発見・対応

最近の臨床開発モニター募集傾向

~臨床開発のスピード化を目指し、製薬メーカー、CRO※で臨床開発モニターの売り手市場が続いています~

≪製薬メーカーの採用ポイント≫
⇒臨床開発モニター経験、3~5年以上の経験者。
特に外資系では、英語力必須。
新GCP下での業務経験
≪CROの採用ポイント≫
⇒臨床開発のアウトソーシング化の波をうけ、未経験者大量募集を行うケースがある。
20代前半~30歳くらいまで。
医学・薬学のバックグラウンドがあること。
(薬剤師・臨床検査技師・看護師の有資格者、MR・CRC(治験コーディネーター)の経験者など)
≪医療機器メーカーの採用ポイント≫
⇒薬事法の改正をうけ、医療機器メーカーでの臨床開発モニター募集が増加している
・製薬メーカーなどでの臨床開発モニター経験者。即戦力が求められる。

※CRO…製薬メーカーの医薬品開発業務の全てまたは一部を代行するアウトソーシング機関(企業)

臨床開発モニターになるには

製薬メーカーの臨床開発モニターになるには、新卒で入社し、臨床開発モニターに配属されるか、CROに入社し、教育研修を受けたあと、キャリアを積み、転職する方法があります。メーカーでの未経験者の募集はほとんど行っていません。
CROでも、以前は経験者採用が主でしたが、最近は製薬メーカーのプロジェクトに合わせて未経験者の採用を積極的に行うケースがあり、それに伴った教育研修の充実を図っています。これから治験に係わる職業でキャリアを積みたいとお考えの方は、良い流れがきているといえます。

臨床開発モニターからのキャリアチェンジ

臨床開発モニターは、他の職種に比べ幅広い業務に携わる機会が多く、経験内容によっては多くの職種へのキャリアチェンジの可能性が広がります。

≪臨床開発モニターからキャリアアップ、およびキャリアチェンジ可能な職種≫
  • クリニカルリーダー
  • プロジェクトマネジャー
  • QA(品質保証)
  • QC(品質管理)
  • 薬事
  • 臨床開発モニターの研修担当

転職において評価の高い臨床開発モニターとは

≪担当レベル≫
  • フェーズⅠ~Ⅲなど、一試験を通して担当した経験がある
  • コミュニケーション能力が高い
  • 英語力(英文読解、資料作成が可能)
  • オンコロジーなど、専門領域の経験がある。
  • 転職回数(35歳までで3社以下、が目安)
≪中堅レベル≫
  • マネジメント経験(リーダーシップ)
  • CROの選定や良好な協力体制の構築が出来る
  • 英語力(読み書き会話 ビジネスレベル)
  • 目標達成意識が高い

メーカー・CROそれぞれの利点

≪メーカーで働く利点≫
  • メーカーならではの、フェーズの深い部分に係わることができる。
  • 自社のオリジナル製品を手がけることが出来る
  • キャリアアップ
≪CROで働く利点≫
  • 未経験者でも活躍のチャンスがある
  • 教育研修の充実
  • 内部でのキャリアチェンジが容易
  • 幅広い領域を経験できる
  • 幅広い業務を経験できる

臨床開発モニター転職状況

現在、臨床開発の加速化、臨床開発モニターの業務内容の増加などにより、全体的に人手不足の状態です。
各企業からのニーズは高まり、臨床開発モニターへのキャリアチェンジ、キャリアアップをお考えの方には、追い風となっています。
臨床開発モニターとして活躍されている方、これから臨床開発モニターを目指す方はこのチャンスの時期をいかしてはいかがでしょうか?