インフォームドコンセント|エッセイ

インフォームドコンセントについて少しお話をしたいと思います。ご存知のように患者さんへの十分な説明と患者さんが理解して同意することです。そもそも医療は、患者さんの為にあるという事です。残念ながら最近までそうでなかったのが日本の医療でした。そして現在もまだ多くの医療機関では、そうではありません。

しかし時代の流れは、医療は患者本位であり、インフォームドコンセント、情報開示の方向で進んでいます。これにより患者の権利を守るという事と、患者と医師との信頼関係をつくり患者自身の病気に対する意識を高める作用があり、そしてそれが治療効果を高め病気を早く治す働きもします。情報開示が一番進んでいるのは医薬分業による院外処方箋での薬剤の情報開示があり、まだほんの一部(1%)ですが電子カルテによるカルテ開示があります。カルテ開示は医師会の反対により法制化が見送られましたが、本来カルテは患者自身の物であるというのが世界の常識です。

イノベーターである医療機関や医師により、医療のサービスについて話される機会が多くなってきており又患者自身の意識も高くなってきていますので法制化も含めて医療のあり方が急激に変化するものと思われます。この流れに付いていけない医療機関は、いずれ淘汰される事になるでしょう。医療もサービス産業であると言うことです。

イノベーターである医師は、患者が医師に質問をしても十分な説明をしない医師は変えるべきだと云っています。また、心から患者と共に病気に対処する医師でなくてはならないとも言っています。これは、医師独断の治療はいけないということです。患者も医師任せの治療ではいけないのは勿論です。

インフォームドコンセント、情報開示のメリットについ考えてみましょう。

  • 医師と患者の信頼関係が出来て、病気への取り組みが正しく強くなる。
  • 他病院への紹介時、カルテ、検査結果などのデーターを示しやすい。
  • 治療費が押さえられる。検査の重複が無くせる。
  • カルテなどの書式が一定になり、医療ミスが押さえられる。
  • 開示することにより、より責任を感じて医療ミスを押さえられる。