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GMP規制のグローバルトレンド

(1) FDAの規制強化 FDAの規制強化米国内の製薬メーカー及び米国に医薬品を輸出しようとする国外メーカーのGMP実践状況の監視指導は米国食品薬品局、即ちFDAの規制業務部 (ORA) によって行われている。2009年頃からFDAのGMP査察が厳しくなる傾向が表れ始め、それと時期を同じくして国外の査察が増加し始めたと言われる。国外の査察は2008年度まで500件程度であったが、2009年度に636件、そして2013年度には827件に増加している。これは国外で製造された医薬品の輸入増加への対応を意味している。更に2011年には規制業務部に国際部 (Office of International Programs) を併せてグローバル・レギュラトリー・オペレーションズ及び政策部 (Office of Global Regulatory Operations and Policy) ができたことも、国際的な監視指導強化の表れと言えよう。

国外でも特にインドにおいて厳しい査察結果が度々報告されている。日本の大手製薬企業が傘下に収めていたインドの大手ジェネリックメーカーの複数の工場は、FDAの査察に基づいて複数回の警告書を受けており、それらの工場から米国への医薬品の輸入が差し止められる処置も取られた。インドにおける査察の指摘の中には、品管担当者が作業衣に薬剤を付けたまま他の複数の製造室を回っていたという低レベルのものから、測定データの捏造という悪質なものまで含まれる。或る報道によれば、インドの行政当局はインド国内の医薬品にはアメリカが要求するようなGMPレベルは要らないと語ったとか。どの国の患者でも正しい品質の医薬品を望んでいる筈である。

アメリカ国内においても2010年から20111年にかけて代表的な一般用医薬品のメーカー2社がFDAの査察で厳しい指摘を受け、億の桁の膨大な製品回収につながった事例が起きている。この2社に共通して指摘されたGMP上の不備が、顧客からの苦情を限定的に捉えていて、問題が他のロットや他の製品に波及した可能性についての調査を怠ったという点であった。米国のGMP法令であるCGMP の製造記録に関する条文(CFR211.192)において、「製品バッチが規格に適合しない等の問題があったなら、それが他のバッチ及びや関連する他の製品にも影響しているか否かを徹底的に調査すること」と明記されており、この条文を引き合いにした警告書の記述は頻繁に見られる。

もう1つのFDAの監視指導強化が無菌医薬品の分野において2010年前後から起きている。注射剤等の無菌製剤製造施設は高度の技術と日常的に厳格な管理が必要とされるが、特にジェネリックメーカーにおいて無菌性を確保するためのバリデーション(培地充填試験等)の不備が指摘されたり、微生物汚染リスクにつながるような作業者の行動が査察官の目の前で観察されたりしている。厳しい査察指摘と警告書に基づく市場出荷指し止めも頻繁に起きており、それが制癌剤等の医薬品の不足をきたす事態が起きた。2011年10月末にはオバマが大統領令を出して、医薬品不足につながる恐れのある製造上の問題が起きた場合メーカーが直ちにFDAに報告すること等を求めた。

FDAは今後もこうした厳格なGMP監視指導をグローバルに展開し続けるものと考えられる。特に無菌製剤のように高度の品質管理が求められる製品群については尚更であろう。また、最近の査察においては、コンピュータ化された試験機器のデータの入力・変更等の細部をチェックすることが増えてきており、それを可能とするコンピュータ化バリデーションが必須となってきている。製薬業界はこのようなITの面を含めて、品質管理を絶えず向上して行くことを求められていると言えよう。

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