薬学部卒業生の増加で薬剤師数が初の30万人突破!(2018年1月)|新薬・パイプライン

薬学部卒業生の増加で薬剤師数が初の30万人突破!|製薬業界ニュース

厚労労働省は、2017年12月14日に「平成28年(2016年)医師・歯科医師・薬剤師調査」の概要を発表しました。これによると、2016年12月31日時点の届出薬剤師数は、前回調査の2014年に比べ13,172人(4.6%)増加し、調査を開始して以来、初めて30万人を突破し301,323人となりました)。人口10万人に対する薬剤師数は、前回に比べ10.7人増加し、237.4人でした。

薬剤師数と人口10万人対薬剤師の推移
グラフ1:薬剤師数と人口10万人対薬剤師の推移

この調査は2年に1回行っているもので、薬剤師が保健所に提出した届出票を厚生労働省が集計しています。薬剤師数の増加は、薬学部の定員増と2)、6年制薬学部の卒業生の増加したことに伴うものとみられ3)、増加率4.6%は前々回の1.3%、前回の2.9% を上回っています。 薬剤師が主に従事している施設は薬局が最も多く、172,142人で57.1%を占め、前回より10,944人、6.8%増えました。次いで医療施設の58,044人、19.3%で、こちらは3,165人、5.8%の増加です。医療機関に従事する薬剤師のうち、病院に従事するのは52,145人で3,165人、6.5%の増加、診療所は前回から増減なく5,899人で、約9割は病院に従事しています。 一方、医療品関係企業に従事している薬剤師は1,584人減少し、全体の13.9%を占める42,024人で、大学は57人減少して5,046人、1.7%でした。衛生行政機関または保健衛生施設従事者は6,813人で2.3%で237人増加しました。

施設別従事者の割合
グラフ2:施設別従事者の割合

薬局、医療機関に従事する薬剤師は今回も増加しており、年次推移を見ると、特に薬局従事者が1992年から大きく増加しています。これには、2016年には58,678施設に達するなど、薬局数が年々増加している影響もあるようです2,4)。

薬局従事薬剤師数と医療施設従事薬剤師数の推移
グラフ3:薬局従事薬剤師数と医療施設従事薬剤師数の推移

男女比をみると、男性が116,826人で全体の38.8%を占め、女性は184,497人で61.2%を占めています。 年齢では、「30~39歳」が76,714人と最も多く25.5%を占め、次いで「40~49歳」が71,949人で23.9%、「50~59歳」が60,514人で20.1% を占め、平均年齢は46.0歳でした。 従事する施設別では、薬局、大学、医薬品関係企業が「40~49歳」が最も多く、病院では「30~39歳」、診療所では「50~59歳」が最も多いという結果で、平均年齢も病院が40.7歳と比較的低く、診療所が56.8歳 と高めでした。 薬剤師のうち、薬局・医療施設に従事する薬剤師数は、230,186人で、男女の内訳は男性が78,432人、女性が151,754人です。人口10万人に対する薬局・医療施設に従事する薬剤師数は181.3人です。10万人対薬剤師数を都道府県別にみると、最も多いのが徳島県の220.9人で、次いで東京都が218.3人、兵庫県が214.0人です。最も少ないのは沖縄県の134.7人で、次いで青森県の143.5人、福井県の145.1人でした。

参考文献 1)平成28年(2016年)医師・歯科医師・薬剤師調査の概況 http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/16/index.html 2)患者のための薬局ビジョン~「門前」から「かかりつけ」、そして「地域」へ~(厚生労働省) http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/honbun_3.pdf 3)【厚労省調査】薬剤師数、初の30万人突破(薬事日報) https://www.yakuji.co.jp/entry62401.html 4)平成28年度衛生行政報告例の概況,薬事関係(厚生労働省) http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei_houkoku/16/dl/kekka5.pdf