専門化する薬剤師|新薬・パイプライン

厚生労働省の調べでは、全国の薬剤師数は、2004年12月末現在24万人余り。前年に比べて5%増加して、男性39%、女性61%と女性が多数を占める。
従事先は、薬局48%、病院,診療所20%、医薬品関係企業19%の順。

1994年以降、薬局の従事者が大きく増加している。近年の薬学部新設ラッシュで将来過剰を予測する向きもある。
今年は、第91回薬剤師国家試験が3月11日、12日の両日、東京、大阪など全国9ヶ所で行われた。合格者は、4月6日 午後2時、厚生労働省や地方厚生局、支局で受験地と受験番号が発表される。
薬剤師国家試験は、例年 1万1,000名程度受験し、合格率は平均80%台。昨年の新卒者の平均合格率は 93.29%と、15年間で最も高かった。

2006年度から、薬剤師のカリキュラムが 「4年制」 から 「6年制」 に以降し、これまで4年だった国家試験受験資格が 2006年度の入学生から6年となる。

今後の傾向として、医療現場で 医師や薬剤師、看護師が一体となってチームを組んで患者の治療にあたる 『チーム医療』 が浸透してきている。

『チーム医療』 の浸透に伴い、専門医と同様、薬剤師のスペシャリスト化も求められ、今年から認定制度も始めた。

第一弾として、1月に 「感染制御専門薬剤師」 の認定試験を初めて実施。薬剤師暦が 5年以上で、3年以上の院内感染対策経験という受験資格を満たす、約160名が挑んだ。

入院患者は 病気や手術で体力が低下し、薬剤耐性菌に感染すると重症化死亡する恐れがある。病院にとって 院内感染対策は、極めて重要な課題で、薬剤師は抗菌薬の適正使用や、医療器具の消毒など、専門的な知識や技術が求められる。

今後は学会などでの発表論文も審査され、年内に初の 「感染制御専門薬剤師」 が誕生する。また、厚生労働省は 2006年度から、がん専門の薬剤師を育成し、研修制度を作り、講義や実務を組み合わせた3ヶ月程度の研修を実施して、修了者に認定試験を行い、合格者は「がん専門薬剤師」に、認定する。 年間300名を目標に、5年間で約1,500名を養成するという。